早苗………2話(完)
野口は今度はやさしく、
「実はこの調査のことは一博さんは知らないはずです。一博さんのお母さん、え~名前は…」
「お母さん?恵子さんですか?」
「そうその恵子さんからの秘密の依頼で一ヶ月間広瀬早苗の素行調査をたのまれたのです。スタッフは私とあと一人で費用は前払いで200万円もらっています。目的は、早苗さんと一博さんの結婚を破談されるためのものです。そして早苗さんのお父さんの信夫さんは市バスの運転手で京都交通局労働組合の役員、それも革新党の党員だということがわかりました。こうして今時探偵に息子の嫁になる家の身辺調査をする家柄ですから超保守的な考えをもっておられます。お父さんのことと早苗さんの万引きのことを正直報告すればお母さんの恵子さんは大喜びされます」
結婚式は一ヵ月後にせまり、嫁入り道具も超豪華版で揃えている。この費用の2000万円は結納の形でいただいている、式の費用とヨーロツパへの新婚費用ももすべて崎山家が負担することになっているから、もしこちらの不都合で破談になれば相当な金額を弁償支払わなければならない、それでなくてももう父と娘の預金は底をついていた。
早苗は静かな口調で、
「野口さん、本当に一度だけのお付き合いでゆるしていただけますか?万引きの件と父のこと」
「はい、たった一度だけ目をつむってください。私のためにも早苗さんのためにも」
「それではどうしたら?」
「今夜の8時に早苗さんの家から東の政所公園の南側の入り口で待っていてください」
「わかりました…」
私立探偵こと大石隆二は43歳で3年前に離婚をしているそれを機会にサラリーマンからタクシー運転手に転職をした。その大石が児童公園で待っていると早苗が歩いてきた。大石はタクシーから降りて後部ドアを開け愛想よく早苗を手で招きいれる動作をしたが、早苗は人違いだと思いこれも愛想よく「イイエ」と手を横に振った。大石は、
「早苗さんですね、私立探偵の野口さんからの配車です」
早苗はタクシーなら安心ととりあえずタクシー中に入った。運転手はドアを閉め運転席に戻り笑ったままの顔で後ろを振り返り、
「早苗さん、昨日、今日と心配だったでしょう、もう安心です」
早苗もついつられて笑い顔で野口さんはどこにと聞いている。運転手はフロントガラス左下にある乗務員証を指差して、
「大石隆二といいます。電話では私立探偵の野口と言っていました」
早苗はまだ意味がわからず目を白黒させている。やがてあれは嘘だったのと安心したのか笑っている。大石は、
「早苗さん、私立探偵であろうがタクシーの運転手であろうが、脅迫されているのには間違いはありません」
と言いながら大石はタクシーを発車させた。
「う、運転手さん、どこにいくの?」
「どこへって?ラブホテルの決まっているでしょう…早苗さん」
「そんなの困ります」
タクシーは本通りを右折した。道路工事の影響で今日も渋滞している、大石は本屋を指差して、
「丁度こうして昨日も渋滞していました。何気なしに本屋さんを見ると髪の長い色白の美人が立ち読みをしていました。その女性は左手に持っていた本を手に持っていた紙袋にス~ト入れるのを目撃したのです。そして私は万引きだと直感した。その美人は何食わぬ顔で車の進行方向に歩いて行き一筋目を右に曲がった。私も渋滞に嫌気をさして同じ道を右折したら、その美人は他人の家の前に置いてあったポリバケツの蓋を開けて何かを捨てていた。それを横目で見ながら徐行してつけていったらある家に入った。表札を見ると家族全員の名前があり電話番号を調べた。そしてポリバケツには「美人野獣X」の注文カードがあった」
早苗は真っ赤になって下を向いている。さらに大石は、
「お父さんの件は今朝たまたま早苗さんの家の前を通った時、玄関横のガレージから自家用車が出てきた。これもたまたま進行方向が同じでお父さんの自家用車は市バスの九条営業所に入ったから市バスに勤めている友人に電話したらすぐ色々なことかわかった。早苗さんがほんの出来心で万引きしたのと同じで私もほんの出来心で早苗さんを脅迫をした。おかげでこんな若くて綺麗な女性とラブホテルに行けます」
「大石さん、本当にラブホテルに行くのですか?」
「早苗さん、今さら何をいってんの?電話であんなに堅い約束をしたでしょう。だから今早苗さんはタクシーの中にいる」
「でも、電話とは随分お話が違います」
大石のタクシーは市内を抜けて名神南インターのラブホテル街についた。大石は40数軒の中でも一番豪華で有名なホテルに入った。タクシーをバックでつけてエンジンを切ったら早苗が、
「大石さん、本当に一度だけと約束できます?」
大石は黙って小指をだすと、早苗も小指をからましてきた。
早苗は部屋に入るなり大きな歓声を上げている。ピンクパンサーの大きなぬいぐるみが天井からぶらさがっている、壁も絨毯もピンク一色で照明がすこぶる明るい、ベッドは円形の回転式で天井は全面ガラスになっている。
50インチのテレビとカラオケもあり音響はすばらしい。早苗は子供のようにマイクを握りはしゃいでいる。そしてありとあるゆる装置のスイッチを入れながら大石に説明を求めていた。
大石もそれにつきあってはいたがきりがないと早苗に先にバスルームに入れと命令していた。早苗もそれに素直にしたがっていた、大きな浴槽にタイルもピンクで統一されている、シャワーを出して軽くバスを洗い流して湯の温度を調整しながら蛇口をひねっている。
婚約者の一博とのデートでもこうして早苗が湯を調整していた。もう一博とのセックスのために20数回はホテルには行っているが、いつもシテイーホテルのスイートルームで部屋は豪華だがとてもセックスを楽しむようにはできてはいない、その点、このラブホテルはおとぎの国に迷い込んだ錯覚を起こすほど楽しい、脅迫されてやがて犯される身分を忘れて早苗の心はワクワクしていた。
テレビの前にはピンクのフワフワのラブソファーがあり、ピンクのガラスのテーブルの上にはほどよく冷えたロゼワインがある。大石は早苗のラブホテル探検が終わるのを待っていた。やがて早苗は大石の横に座りワイングラスを持ち上げて、
「大石さん、何に乾杯したらいいの?」
「そやな~神様の出来心にするか~早苗」
「あらら、二人の出会いは神様の悪戯なの?」
「それじゃ~乾杯!」
二人同時にそれを飲み干してワインから手が離れると同時に目が合いそして濃厚な長いキスをしていた。そして大石が家から持ってきた裏ビデオを50インチのテレビにセットすると画面が明るくなった。
ビデオでは美人OLと若い社員が二人きりで残業をしている。そのOLを男が襲い社内を逃げ回っているシーンからはじまった。服を脱がされパンティーだけになったOLはデスクの上に仰向けに寝かされパンティーが引きずり下ろされた。
両足が大きく広げられピンク色の秘部のド・アップが映された。早苗は「キャー」と両手で顔を隠して立ち上がり、
「お、大石さん、こんなん困ります」といいながらも指の間から真剣な表情で見ていた。
テレビの男はパックリ開かれている秘部に顔をうずめて舌でクリトリスをチロチロ愛撫している、OLの口からは喘ぎ声が漏れラブホテルのピンクの部屋中に響き渡った。早苗は、大石さん、大石さん、大石さんと大石の肩をたたきながら、
「これ本当なの?」
「うん?だってこれ本当にしているだろう」
「違うの、そうじゃないの、この声よ!」
「早苗さん、こんな声を出さないの?」
「………」
「女だったら誰でも感じたら声をだすよ~」
画面ではペニスがOLの秘部に挿入された。OLは顔をゆがめながら、
「アァ~アァァァァァ~ア~イイ~係長~イイヨ~」と連続でハスキーな声を…早苗は急に叫ぶように、
「わたし…不感症なの…」
大石は早苗のスラリと伸びた太股からスカートの中に手を入れ奥をまさぐった。パンティーストッキングを通り越して大石の指に感じるほど早苗は愛液を分泌させいいた。
「早苗さんは、不感症ではないよ~ほらこんなに濡れている」
「…こんなの今日がはじめて…なの」
大石は薄いセーターをやさしく脱がしてブラジャーを取りそのままソファーに寝かした。キスをしながら早苗の豊満なオッパイに指で刺激を与えていた。そして、
「早苗さん、ここでは恥ずかしくないから少しでも感じたら遠慮なく声をだして!」
大石は、両手の指で乳首を摘んだり揉んだりしている、早苗は少しは感じるのか口を半開きにしながら、
「フゥ~フゥ~フゥ~」
やがて早苗の両手が大石の背中にからみつくように力が入ってきた、そして早苗が太股と太股を擦り合わせるようになってきたので大石はスカートとパンティーを器用に脱がし、右手の指で軽く秘部全体を逆撫ぜしてから器用に人差し指と親指で皮の中に埋もれている真珠の小粒をつまみ出していた。
ピンクより白に近い未開のクリトリスも小豆大に膨らみ堅くなっている。それを指の指紋を使って擦ってやると早苗の両足の太股がピクッ!ビクッ!と動くがこらえているのか声はでない。指を二本揃えて小陰唇の中に入れるとそこは愛液があふれてシーツまでも濡らしている。ヌルヌルした感触が指に伝わり深く浅くと小刻みに動かしているが早苗の口からは、
「フゥ~フゥ~フゥ~」としか漏れず「アァ~アァァァ~イィ~」にはほど遠かった。
ビデオが終わって部屋は静かになっている。大石は目をつむっている早苗の鼻をトントンと合図して風呂に入れと手で合図をすると早苗は静かに立ち上がり素っ裸のままフラフラとバスルームに消えた。
それを見届けてからベッドのカガミの扉を開けるとそこはマジックミラーになってバスルームが見える。早苗は長い髪の毛を束ね、たったままシャワーを浴びている、その姿は外国映画のワンシーンを見ているように優雅でセクシーだった。大石は早苗の身体が湯船に沈むのを確認してからバスルームに入っていった。
早苗は「ニコッ!」と笑みを浮かべながら身体を横に少しずらし、大石にここに入れと目で合図をしていた。そして大石にありとあらゆる質問を浴びせていた。
「奥さんは?」
「結婚して何年?」
「離婚の原因は?」
「子供は何人?」
「養育費はいくら送っているの?」
「いつも女を脅迫しているの?」
大石はその質問にユーモアをまじえて一つ一つ丁寧に応えていた。
「大石さんは、いつもあんなHなビデオを見て楽しんでいるの?」
「いや~たまたま友人に借りただけで、やっぱりほんまもんの女性に限る!」
といいながら早苗の乳首をきつめに掴んだら、早苗の口から、
「アァッッ!」
「ごめん、ごめん、痛かった?」
「ううん、少しも…それよりなんか感じたのよ!初体験の気持ちよ!大石さん、ありがとう」
「なっ!いっただろう~そうして一回声がでれば、あとはあのビデオと一緒やで~早苗さん」
「もう~大石さん、早苗と呼んで!」
「早苗、まだペッテイングだけだ!これから本番になるからよがり声を上げる練習をしょう」
「なんか~脅迫されているの忘れてしまったの…へんネ!」
早苗は裸体にバスタオルを巻いたままの姿で回転ベッドのスイッチを入れたり切ったり、枕元にある十数個のスイッチを興味ぶかけに一つずつ試していた。大石の目の前で前かがみになりお尻を突き出し少女のように目を輝かしている早苗に尻の方から近づき腰を両手で抱えて一気にペニスを突き刺した。
右手で乳房を力の限り鷲づかみにして左手で乳首を強く捻るとその瞬間、大石のペニスは痛いほど早苗の膣圧で絞められていた。大石はバスルームで早苗の乳首を強く掴んだ瞬間に早苗の口から漏れた「アァツ!」を見逃さなかった、つまり、早苗は早苗自身がまだ気がついてはいないがSMのM、マゾだと判断していたからだ。
早苗の口からは、
「アァァァ~アアアァァァ~」
両乳首を左右に引っ張りながら腰を連続ピストンさすと、
「ウゥゥゥゥ~ァァァァ~」
乳首を強く捻りクルクル回すと、
「お、大石さん~もうもう、ダメ~かにんして~」
大石はそんな言葉を無視しながら指で秘部をまさぐりクリトリスをしっかり人差し指と親指で挟み一気に引っ張ると早苗は、
「グググッッッッ~イッ~イッ~イッ~」
「さ、早苗、早苗…痛いのか?いいのか?どっちや~!」
「イィィィィィィ~」と言いながら腰を左右に振ってきたから大石のペニスも大爆発寸前になっている。
「さ、早苗~俺もう…」
「大石さん~私も~」
大石の腰がフニッシュのために激しく動くと二人同時に、
「グッグッグッ~ガオ~」
と野獣のような声を張り上げていた。
早苗は大石のタクシーの助手席に乗りながら婚約者の一博との出会いや処女を奪われたいきさつ、将来は社長夫人になる。それまでは何があっても我慢することなどを恋人に話すように語っていた。
その婚約者の一博は最初は嫌いでしかたがなかったが、そのうち社長夫人もいいかな~と思うようになりブリッコで気を引いていた。あのパーティーの時もチャンスだと思い挑発して身体を奪われたの、もちろん結婚の約束をしてから…。
私はこの日のために今まで付き合ってきた恋人にも絶対処女を与えなかったの女のずるい本能みたいな物ね。それでも胸の愛撫はゆるしていたの、最初はやさしい愛撫で気持ちがよかったのだけどそのうち、少しぐらいの刺激では感じなくなり噛んでもらったり洗濯バサミを使用したり爪楊枝を束にしてそれでチクチク刺激されたり…下半身は処女でも…今日はそれを大石さんに見破られて楽しかったの…久しぶりになんか~胸のモヤモヤが溶けたわ~。
大石はハンドルを握りながら、
「一博さんも早苗の感じるところを探し出して、それの虜になるよ~」
早苗はこの質問にむきになって反論をしている、
「一博さんは私のことは大好きだけど、セックスはそんなに好きではないの…それに…」
「それに?」
「あれが少し小さいの」
「それと?」
「早いの、一度目は入り口で出して!二度目は半分入れて出して!三度目でやっと処女を…」
「最近は?」
「昨日は、一博さんのが奥まで入った瞬間に私がクシャミをしたの、そしたら私の腰がピクッ!と動いたらその刺激でピューと出されたの」
二人が一博のことで大笑いしている内に早苗の家の前にタクシーが横付けされた。
「大石さん、今日はありがとう」
「こちらこそ脅迫をしてすいませんでした」
「で、今度はいつ脅迫していただけます?」
「そうね~早苗が社長夫人になってお金が自由に使えるようになったら」
「なら20年後?」
「そうです~私はまだ生きています」
「大石さん、その20年後の脅迫の材料は?」
大石はタクシーのダッシュボードの中から小型高性能の録音器を取り出して、
「今日のことのすべてがこのテープに録音されています」
「そう、ありがとう。私が女であったことを記録してくれていたの?」
「そう、早苗さんの女は、このテープに閉じ込めました。私が大事に保管しておきますから、どうか社長夫人になって幸福になってください」
「そのテープの中の早苗と社長夫人の早苗とどちらが幸福?」
「さあ~それは誰にもわかりません」
大石はタクシーから降りてこの乗客にドアサービスをしながら、
「本日は長時間のご乗車ありがとうございました。どうか心のお忘れ物がないか?もう一度たしかめてからお降りください」
「運転手さん、もし忘れものがあったらいつまで保管していただけます」
「はい、早苗さんの結婚式前日の9月30日までです」
「それで連絡先は?」
「はい、この名刺を渡しておきます」
早苗はその名刺を受け取り後ろを振り向かず家の中に消えていた。
それで早苗は「心の忘れ物をしたの?」
さあ~それはまだ分かりません、だって今日はまだ9月10日ですから…。それに~人生心の忘れ物を取りにいかないことも必要かもわかりませんから…。
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